AIロボにも「新人教育」が欠かせない [ブログ]

AIロボにも「新人教育」が欠かせない

東京オリンピックが開催される2020年まで、あと1年半を切りました。実はその2020年、ある言葉が生まれてから100周年の記念すべき年であることをご存知でしょうか。

 その言葉は「ロボット」。もともとチェコの作家カレル・チャペックがつくり出した造語であるというところまでは、ご存知の方も多いでしょう。実はこの言葉が登場する戯曲『R.U.R.』が発表されたのが1920年。2020年でちょうど100年というわけです。

 

ターミネーターからケンタウロスへ

 チャペックの「ロボット」は知性を持ち、人間に対して反旗を翻すのですが、最終的に愛という感情まで抱くようになります。一方で現実のロボットは、産業用ロボットに代表されるように、これまではあらかじめ決められた作業を繰り返すだけの存在であることがほとんどでした。しかし「ロボット」登場100周年のいま、事態は変わろうとしています。言うまでもなく、近年におけるAI技術の進化です。

 ソフトバンクのPepperやソニーのaiboなど、文字通り「ロボット」と呼べるような存在だけでなく、スマートスピーカーやチャットボット、あるいは金融業界のロボアドバイザーのように、可動式ではないものや、物理的な筐体を持たない(これをソフトウェア・ロボットと呼ぶこともあります)ものまで、多様で「賢い」ロボットが私たちの身の回りに登場し始めています。

 そうなると心配になるのが、チャペックが『R.U.R.』で描いたような、人間とロボットの対立という可能性でしょう。実際、映画『2001年宇宙の旅』から『ターミネーター』シリーズに至るまで、ロボットの反乱を描いたSF作品は数に限りがありません。あるいはロボットに物理的な攻撃を仕掛けられないまでも、賢い彼らに職業を奪われてしまうのではないかという不安は、多くの方々が現実的な問題として感じているはずです。2013年にオックスフォード大学でAI研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授らが「雇用の未来」という論文を発表し、その中で702種の職業について「コンピュータに置き換えられる可能性の低さ」をランキング化し、注目を集めたのも記憶に新しいところです。

 しかし経営理論の世界では、これとは違った見方が主流になろうとしています。工場の単純労働が産業用ロボットに取って代わったように、高度なAIやロボットがすべてを自動化してしまう仕事がある一方で、人間とロボットがそれぞれの長所を生かして役割分担するようになるのではないか。あるいはロボットが最高のパフォーマンスを発揮するように、彼らの世話をする仕事が人間にもたらされるのではないか。そんな考え方が有力になってきているのです。人間とロボットのいいとこ取りをするので、「ケンタウロス」型のモデルだなどと表現する人もいます。

 これからのビジネスを勝ち抜くために、私たちは人材ならぬ「ロボ材」をどう活用しなければならないのでしょうか。

「解雇」されるロボット

 のっけから失敗事例を挙げてみましょう。先日、あるAIが「解雇」されるというニュースが発表されました。それはNordnetというスウェーデンの銀行が導入していた、米IPsoft製のバーチャルエージェント「アメリア(Amelia)」です。

 

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1807/26/news109.html


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